前屈が硬いのはどうして?~股関節の柔軟性~
名古屋市栄のタイコ接骨院の岩田祐典です。
今回は股関節の硬さと前屈の関係について書いていこうと思います。
よく「股関節を柔らかくすると良い」などと聞くことが多いです。
ではなぜ股関節を柔らかくすると良いのか、と言うのを解説していきます。
股関節が硬いとどうなる?
股関節は球関節(臼関節ともいう)と言って人間の関節の中では大きな可動域を持つとても大事な関節です。
前後左右さまざまな方向に動くことができるのが正常な股関節です。
股関節が硬くなり可動域の制限があると股関節の動きを骨盤や背骨(脊柱)で代償をしてさまざまな症状を起こす原因になります。
例①屈曲制限
股関節屈曲が制限されると骨盤を後傾し、下位腰椎や胸腰椎移行部などで動きを代償
例②内転・外転制限
股関節内転外転(足を閉じたり開いたり)が制限されると骨盤を挙上・下制し体幹を側屈するなどして代償
→骨盤の歪み(前後の傾き、左右の傾き)、腰椎過前弯、側弯症、肩こり、腰痛、膝関節痛、股関節痛etc…
股関節の可動域が制限される原因には筋肉の柔軟性が大きく影響をうけます。
どこの筋肉が硬いのか、どこが制限を受けているのかを確認しましょう。
次に身体の背面の筋肉の柔軟性みていく方法を紹介します。
長座体前屈による柔軟性チェック
長座体前屈は小さい頃学校の体力テストなどで測ったことがある人が多いのではないでしょうか。
これは身体の背面の筋肉の柔軟性を調べることができます。注目すべき筋肉は以下のものです。
・脊柱起立筋
・ハムストリングス
・腓腹筋
前屈をすることでこれらの筋肉のどこが硬くなっているかチェックすることができます。
①すべての筋肉の柔軟性〇
背中(胸椎~腰椎)は滑らかなカーブを描き、骨盤は立ったまま前屈できる
②すべての筋肉の柔軟性×
極端に前屈は制限され、骨盤は後傾、膝が屈曲する
③ハムストリングスの柔軟性×
股関節の可動性が悪く骨盤が後傾し、上半身だけで背中全体を丸めるように前屈する
④腓腹筋の柔軟性×
膝を曲げることで腓腹筋を緩めると前屈できる
⑤下部(腰)の脊柱起立筋の柔軟性×
下位胸椎~腰椎の可動性が悪く、背中の上の方(上位胸椎)が丸まる
⑥さらに脊椎起立筋の緊張が強い場合
背中が丸まらず骨盤を前傾させることで代償する
以上のようにどこの筋肉が硬いかで身体の使い方、動きが変わっていきます。どこか筋肉が硬くなり関節の動きが悪くなるとその動きを他の関節で補おうと過剰に動き過ぎて痛めてしまう場合が多いです。
単純に股関節を柔らかくすると言うよりは硬くなってしまっている筋肉を狙って柔らかくすることが大切です。
ハムストリングスのストレッチ
今回はハムストリングス(ももの裏)を狙ったストレッチを紹介。
股関節の柔軟性でハムストリングス(ももの裏)?と思う方もいるかもしれませんが、股関節の屈伸に関わる大事な筋肉です。これが硬く柔軟性が低下していると股関節の動きを悪くし、腰などにかなり負担がかかります。
<方法>
①イスなど足を乗せれる台の前に立つ
②身体を台の正面に向け足を乗せる
③身体が開かないように真っすぐ前に上体を倒す
※15~20秒間、痛気持ちいいところでゆっくりハムストリングスを伸ばす
※基本は身体を正面に向けて行いますが、ハムストリングスは大きい筋肉なので多少身体を左右に向けて行うと伸びる線維が多少変わります
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