骨盤の構造を知ろう!~妊娠による骨盤の歪み~
名古屋市中区栄のタイコ接骨院の岩田祐典です。
妊娠・出産をすると”骨盤”が開く、歪むと言われています。
”骨盤”ってどんな構造をしているのか知っていますか?
骨盤の構成
骨盤は寛骨(かんこつ)と仙骨(せんこつ)・尾骨(びこつ)で構成されます。
寛骨は細かくみると腸骨・恥骨・坐骨に分けられます。この3つの骨が1つに癒合したものを寛骨といます。
寛骨よりも恥骨や坐骨の方が耳にしたことがあるのではないでしょうか?
仙骨・尾骨は脊柱(背骨)の一部で腰椎につながっていきます。背骨と言うと頚椎(首)~腰椎(腰)までをイメージしてしまうのが一般的だとは思いますが、この仙骨・尾骨も脊柱なんです。
左右1対の寛骨と1つの仙骨がつなぎ合わされ骨盤が構成されます。
このつなぎ目を関節や結合と言います。
・仙腸関節
・恥骨結合
仙腸関節は名前の通り仙骨と腸骨が作り、身体の後ろ側にあるつなぎ目で左右に2か所存在します。
恥骨結合は軟骨によって左右の恥骨同士つなぎ合わされている場所。身体の前側にあるつなぎ目でおへそから真下に指でたどっていくと硬い骨(恥骨)を触れます。その真ん中が恥骨結合です。
仙腸関節、恥骨結合の両者は靭帯によって安定しています。
このように寛骨・仙骨・仙腸関節・恥骨結合によって骨盤は輪を描いて構成されます。
関節・結合の不具合により骨盤の輪に歪みが生じます。
妊娠・出産による骨盤の歪み
骨盤の歪みは仙腸関節や恥骨結合の緩みや捻じれ、仙腸関節については諸説あり、不動関節とも言われますが、ほんの数ミリの可動性を持っているとも言われています。この数ミリの可動性がなくなってしまった場合も歪みが生じてきます。
特に妊娠中は出産準備の為に関節・靭帯を弛緩させるホルモン「リラキシン」を分泌します。
リラキシンは出産時に産道を赤ちゃんが通りやすくするために主に骨盤の仙腸関節や恥骨結合を弛緩させる作用をします。また同時に全身の関節・靭帯にも作用します。
こうやって緩んでしまった関節を補助し安定させるのが筋肉です。
関節を安定させる筋肉が弱いとリラキシンの作用によって通常なら靭帯で安定していた関節が緩み、身体が歪み、姿勢も変化します。
骨盤の緩み、歪み、姿勢の変化によって妊娠中は肩こりや腰痛を起こしやすくなります。
<まとめ>
・妊娠中は関節・靭帯を弛緩させるリラキシンが分泌
・緩んだ関節を補助するのは筋肉
・筋肉が弱いと骨盤に不具合が起こりやすい
骨盤を安定させるためのトレーニングの紹介です。
ヒップリフト
骨盤底筋群と呼吸を意識したトレーニングです。
このトレーニングはお尻や太ももの裏にも効きます。効いている、使っている意識を持ちましょう。
①膝を立てて上向きに寝る(股関節45°、膝関節90°)
②足は肩幅に開く(少し外旋位)
③手は身体の横にリラックスして置く
④腹式呼吸(ドローイン)で息を吐きながらお尻を上げていく
⑤肩甲骨を支点に膝・お尻・背中・肩が一直線になるよう上げる
⑥息を吸いながら下ろす
1set10~15回を3setを目安にやりましょう。