股関節と骨盤の関係~股関節のかぶりについて~
名古屋市栄のタイコ接骨院の岩田祐典です。
今回は股関節と骨盤の関係性を紹介していこうと思います。
股関節の構造
股関節は骨盤の寛骨と太ももの大腿骨で構成され、大腿骨骨頭が寛骨臼と呼ばれる窪みにはまり込む形になっています。
餅つきをイメージしてください。臼(うす)と杵(きね)を使いますよね?臼にお餅を入れて、杵でつきますよね?
窪んでいる臼に杵の頭がはまり込んでいる状態、これが股関節に似ています。
- 寛骨臼(骨盤)=臼
- 大腿骨頭(大腿骨)=杵
正常な人は寛骨臼が大腿骨頭に深くかぶさっています。
股関節が動くと他の関節も動く
人間の身体は運動連鎖と言ってどこかの関節が動くとそれに伴って他の関節も連動して動くという特徴があります。
例えば、上向きで寝て膝を自分の胸に近づけていきます。
この時股関節の屈曲とともに骨盤の後傾、腰椎の後弯といった形で連動して動きます。
こうした動きのどこかに制限があると正常な可動域まで股関節を曲げることができません。
姿勢によって骨盤の傾きが変化するので姿勢が悪い人は股関節の動きが悪かったり、腰痛や股関節痛など痛みを感じるようになる可能性もあります。
骨盤の傾きと股関節の変化
股関節は骨盤(寛骨臼)が大腿骨(骨頭)にかぶさっていると言いました。このかぶり具合は骨盤の傾きによって変化します。
股関節は高い安定性が必要な場所です。寛骨臼のかぶりが浅くなると股関節が機能的に不安定になるので股関節の痛みの原因にもなります。
- 骨盤が前傾→寛骨臼のかぶりが深い
- 骨盤が後傾→寛骨臼のかぶりが浅い
股関節の状態が先天的にかぶりの浅い人がいます。病院などでは臼蓋形成不全と言われ、骨盤の寛骨臼が人より浅い状態で若いときは痛みなどの症状はなく、加齢とともに痛みが出現してくることがあります。
これは若いときは筋肉もしっかりしていて、代償的に骨盤を前傾させ、股関節のかぶりを補うことができるからです。しかし、歳をとると筋肉の衰えから骨盤が後傾していきます。するとかぶりが浅くなりその分股関節に負担がかかりやすくなり痛みが出てくることがあります。
これをふまえると骨盤が前傾してしっかりかぶってた方が安定するんじゃないか?と考えるのが普通だと思います。しかし、股関節の安定性は高まるけど、骨盤の前傾とともに腰椎の前弯が強くなるのでそれによって腰痛を起こしてしまう可能性がでてきます。
骨盤の傾きと股関節のバランスがとても大事になります。
股関節が良くなっても腰痛が出てきてしまったらダメですし、その逆もまたダメです。
なのでトータル的にケアする必要があります。股関節が痛いからそこだけに目を向けるのではなく、全身に目を向けて悪いところを改善すると痛みのない身体を手に入れることができます。
お尻の筋肉のトレーニング(バックキック)
お尻にある筋肉の大殿筋を鍛えるトレーニングです。
股関節を動かすにはこの筋肉は必要不可欠です。
ダイエットやヒップアップにも効果的なので試してみてください。
- <方法>
- ①手、膝を床につき四つん這いになる。手、脚は肩幅ぐらいに開く。
- ②片足で膝を伸ばしながら後ろを蹴るように足を上げる。
- ③足が身体と一直線または少し高く上げる。
- ④膝が床に着く手前まで戻す。
- ※お尻~太ももの裏に力が入るのを意識
- <注意点>
- ・足を上げていく時、お腹に力を入れてカラダがブレないように
- ・足を高く上げ過ぎない
- →腰が反ったり、骨盤が開くと腰を痛めてしまう
- ・足を戻す時も力を緩めない
- →上げるときだけでなく戻す時にも筋肉に刺激が入るためトレーニングの質が上がる
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