股関節の硬さをチェックしよう~股関節屈曲位拘縮~
名古屋市中区栄のタイコ接骨院の岩田祐典です。
今回は股関節の筋肉の硬さを調べる方法について書いていきます。
股関節について
股関節は骨盤を構成する寛骨と太ももの骨の大腿骨によってつくられる関節です。
この股関節は臼関節(球関節)と言われ、寛骨に大腿骨がはまりこむ構造になっています。
人体の関節の中でも大きな可動域を持つ関節でもあります。
股関節の動き
- 屈曲:曲げる
- 伸展:伸ばす
- 内転:内に寄せる
- 外転:外に広げる
- 内旋:内に捻じる
- 外旋:外に捻じる
股関節はこの6種類の動きが複合的に動くことによって幅広い方向に動かすことができます。
そして股関節の動きを生み出すのが周りに存在する22種類の筋肉たちです。
この筋肉が弱ったり、硬くなり上手く機能しなくなると股関節の動きに問題を起こします。
股関節を動かす23種類の筋肉
- 大殿筋・中殿筋・小殿筋(殿筋群)
- 大腿筋膜張筋
- 大腰筋・腸骨筋(腸腰筋)
- 梨状筋・上双子筋・下双子筋・大腿方形筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋(深層外旋六筋)
- 長内転筋・短内転筋・大内転筋・恥骨筋・薄筋(内転筋群)
- 大腿直筋・縫工筋
- 大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋(ハムストリングス)
以上の筋肉が股関節をスムーズに動かすのに必要な筋肉です。
基本的にこれらの筋肉は骨盤から大腿骨にかけて付着します。
なかでも今回は主に股関節の屈曲に作用する腸腰筋という筋肉に注目してみていきたいと思います。
腸腰筋とは
腸腰筋は腰椎から股関節にかけて存在する腸骨筋と大腰筋を合わせたものを言います。
腸腰筋のなかでも大腰筋はとても大事なので詳しく紹介します。
注目して欲しいのは股関節を動かす筋肉の中で唯一骨盤に付着しない筋肉です。
- 大腰筋
- 起始:第12胸椎の椎体、第1腰椎~第5腰椎の椎体・横突起
- 停止:大腿骨の小転子
- 作用:股関節の屈曲・外旋、脊柱の屈曲、腰椎の安定など
大腰筋の作用は文献、研究により見解が様々ありますが主な作用としては股関節の屈曲です。
大腰筋は背骨(脊柱)に付着しているので腰椎を安定させる役割もあります。
この筋肉が硬くなってしまうと股関節が屈曲位で骨盤が前傾します。これを股関節屈曲位拘縮と言います。
股関節屈曲位拘縮の状態でずっといると肩こり、腰痛など様々な症状の原因になります。
腸腰筋の硬さチェック(トーマステスト)
腸腰筋による屈曲位拘縮が起こっていないかを調べる方法です。
- <方法>
- ①背臥位(仰向け)になる
- ②片脚ずつ両手で膝を持ち自分の胸に近づける
- ③この時反対の脚に注目!
◎正常な人は反対の脚は浮き上がってきません。
しかし反対の膝が曲がり、脚が浮き上がってきた場合は陽性です。つまり大腰筋が硬いという事です。
実際に右脚を胸に近づけていきましょう。この時左の膝が曲がり、脚が浮き上がってしまった人は左股関節が屈曲位で拘縮(腸腰筋が硬く)してしまっている可能性が考えられます。
身体に近づけてきた脚(膝)とは逆の股関節の状態を検査しているのでここを間違えないように注意しましょう。
股関節のストレッチ
股関節の屈筋群(特に大腰筋)を伸ばすストレッチです。
股関節の前面を伸ばしていきます。
- <方法>
- ①足を前後に開き片膝立ちになります。この時伸ばしたい側を後ろにしましょう。
- ②後ろの足の甲は床につけるように寝かせ、つま先を少し内に向けます。
- ※大腰筋をより伸ばしやすくするためのポイント!
- ③身体を前に倒していき、両手を前足の少し前につきます。
- ④股関節の前面が伸びるのを感じながら15~20秒伸ばし、少し身体を起こして緩めます。
- これを繰り返しましょう。
- ※上手く股関節の前面が伸びない、反対の足が張るという人は前後の足の開く幅を調整してみてください!
左右で硬いな、伸びにくいなと感じる方に時間をかけてストレッチをすることで左右差をなくすことができます。
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