姿勢改善は自分の姿勢を知るころから始めましょう!
名古屋市栄タイコ接骨院の岩田祐典です。
今回は「良い姿勢」と「不良姿勢」について詳しく解説します。自分の姿勢を見直すきっかけになればと思います。
不良姿勢とは
姿勢が悪いと言われるもので代表的なものに猫背があります。
猫背とは猫がイスに座っているのを横から見たように「背中が丸まり、頭が前に出ている姿勢」の事を言います。
パソコンやスマホの普及に伴いこのような悪い姿勢「猫背」になっている人が増加してきました。
猫背は身体にさまざまな不調を起こす原因になるので不良姿勢(悪い姿勢)と言えます。その代表的な症状が肩こりです。
そして猫背というのは人間にとって「楽な姿勢(楽にできる姿勢)」ではあるが、「良い姿勢」ではありません。
「楽な姿勢」と「良い姿勢」の違い
地球上には重力が存在し、人間の身体はこの重力に逆らいながら生きています。
立位や座位など重力に逆らった姿勢をとるためには身体の前後にある”抗重力筋”と言う筋肉たちがバランスを上手く取り合って活動しているから真っすぐ立ったり、座ったりができるようになっています。
身体は構造上、体幹や内臓の重さが前方にかかるためこれを抑えるのに後面の筋肉が引っ張り前に倒れていかないように支えています。
「楽な姿勢」は後面の筋肉がサボった状態になり、身体は前に倒れていきます。こうなると背中が丸まり、頭部が前方に出て姿勢は悪くなっていきます。
この姿勢は筋活動が少なく、かつ重心が安定しやすいので「楽な姿勢」に感じます。しかし、「良い姿勢」とは言えません。
「楽な姿勢」≠「良い姿勢」
理想は「良い姿勢」を楽にとれるようになること
良い姿勢と理想的なアライメント
「良い姿勢」とはアライメント(頭部・体幹・骨盤・四肢の配列)がきちんと整列している状態を言います。
後方からと側方から見て理想的なアライメントには基準があります。
以下の指標が垂直線上にあるときバランスが良いと言えます。
理想的な「良い姿勢」は重力の影響を減らし、抗重力筋の筋活動を最小限に抑えることができるのでエネルギー消費が少なくなります。
後方から見た理想的なアライメント
・外後頭隆起
・椎骨棘突起
・殿裂
・両膝関節内側の中心
・両内果間の中心
側方から見た理想的なアライメント
・耳垂
・肩峰
・大転子
・膝蓋骨後面(膝関節前部)
・外果2~3㎝前方
不良姿勢のパターン
不良姿勢には身体の状態によってさまざまなパターンがあります。背中に不具合があって姿勢が悪いタイプ、他にも首、肩、腰や骨盤の不具合で姿勢が悪いタイプさまざまです。
首には”ストレートネック”と言われる不具合があります。肩は”巻き肩”、背中は”円背”、腰や骨盤は”反り腰”や”平背(フラットバック)”これらはすべて不良姿勢です。
デスクワークでパソコンを使ったり、長時間スマホを触っている人は要注意です。パソコンやスマホによって前傾姿勢が続くと頭部が前にでて背中が丸まり不良姿勢になっていく人が増加しています。
ストレートネックとは
頭部が前方に突出し、頚椎の生理的前弯が消失した(首の骨が真っすぐになった)状態を言います。本来、頚椎は緩やかなカーブがあり頭部や両腕を支える役割があります。頭の重さは6㎏前後と言われています。結構重たいです。ストレートネックによりこのカーブがなくなると正しく頭や腕を支えれなくなるため、通常の何倍もの負荷が首や肩の筋肉にかかります。その結果首こり、肩こり、酷いと頭痛やめまい、手の痺れなどの症状を引き起こすこともあります。また顎が前に出るため咀嚼筋(顎を動かす筋肉)にも負担がかかりやすくなるため顎関節症にもなりやすいです。
巻き肩とは
肩甲骨が外転(外に開き)、肩関節が前方に巻かれている状態を言います。上記の側方から見た理想的なアライメントの垂直線上より”肩峰”が前方に出ていると巻き肩と言えます。
肩甲骨や肩関節の位置が悪くなると腕を動かしにくくなったり、肩がこりやすい、正しく筋肉が使えないので二の腕の筋肉がたるみやすい、胸が圧迫されやすくなるため呼吸がしにくく浅くなり息苦しさを感じやすくなり呼吸に異常が出てくることもあります。
円背とは
これが猫背と言われる一番の要因になります。胸椎(背骨の胸の部分)のカーブが強くなり背中の丸まりが増加した状態を言います。胸椎はもともと緩やかに後弯(後ろにカーブ)していますが長時間悪い姿勢が続くと正しい姿勢を保つための抗重力筋が弱ってしまい背中が丸まっていきます。高齢になると筋力の低下により背中が丸まっている人が多いですが、最近は若い人もパソコンやスマホの普及に伴い背中が丸まっている人が増加してきています。
円背は見た目の問題だけでなく、内臓の位置も悪くなるため内臓の機能が低下し、消化不良や便秘の原因になります。また代謝も低下するため太りやすい、むくみやすい、冷え性、ホルモンバランスの乱れにより集中力の低下、自律神経のバランスも悪くなるなどデメリットがとても多いです。
反り腰とは
骨盤の前傾に伴い、腰椎の前弯が過度に強くなっている状態を言います。腰椎は本来緩やかに前弯(前にカーブ)しています。壁に頭、背中、お尻、かかとをできる限りつけて立ちます。この時に正常なカーブがある人は手のひらが1枚入るくらいの隙間が腰部にできます。しかし、反り腰の人はここに拳が1つ入るくらいの隙間ができてしまいます。
腰椎の反りが強くなる原因は腹筋群の筋力低下が第一に考えられます。他にも腰部や大腿部前面の筋肉が短縮(硬くなる)ことで骨盤が前傾し腰椎の反りが強くもなります。
良い姿勢は前後の筋肉のバランスが大事です。妊娠中や肥満でお腹が出ている人は重心を安定させるために腰を反ってバランスを取ろうとするので反り腰になり易いです。
平背(フラットバック)とは
骨盤の後傾に伴い、腰椎の生理的前弯が減少した状態を言います。背骨は首から腰にかけてS字状に緩やかにカーブします。このカーブには身体が受ける衝撃を吸収したり、身体のバランスをとるための支持機能があります。このカーブが減少、消失すると衝撃を吸収できなくなってしまうため腰部への負担がかなり増えます。この状態は腰痛はもちろん、腰椎椎間板ヘルニアのリスクがかなり増加します。
特にデスクワーク中”仙骨座り”をしている人は平背になりやすい傾向にあります。仙骨座りは骨盤が後傾し、背骨が丸くなって座るので楽な座り方に感じるかもしれないですが、腰や首、肩には負担がかかりやすい座り方になるので注意しましょう。
これらの状態は単一で起こるものではなく、複数のものが組み合わさって不良姿勢になっています。
自分がどんなパターンで姿勢が悪くなっているか知ることは改善するのにとても大事です。
不良姿勢の予防
不良姿勢の予防にはまず意識が大事です。「楽な姿勢」でいると人間はそれなりの筋肉しか使わなくなり、姿勢を維持するための筋肉が衰えていきます。
特にデスクワークなどの仕事中は「楽な姿勢」になりがちです。「楽な姿勢」で長時間座っているとその状態で筋肉が固まっていきます。
特に多いのが”仙骨座り”です。
仙骨座りとは
イスの浅い位置にお尻を置き、背もたれにもたれかかるような座り方を言います。
これは骨盤が後ろに傾いて寝てしまい(後傾)、仙骨(尾骨の上の三角形の骨)が座面に当たります。これに伴って背中が丸まり、頭部が前方に出ます。
ストレートネック、円背、フラットバックなどの原因に!
正しい座り方を覚えましょう。
正しくイスに座るポイント
・骨盤を立てる
・足の裏をしっかり床につける
・膝は90°に曲げる
・背筋を伸ばし天井から吊られているように
なかでも一番重要なポイントは「骨盤を立てる」ことです。
天井から吊られているように背筋を伸ばして座る、これももちろん大事です。しかし、骨盤を立てることができていないと背筋を伸ばし良い姿勢をしようとしても正しくできません。
骨盤を立てて座る?よくわからない方が多いと思います。
お尻のふくらみの一番下を少し押し込むと”坐骨”と呼ばれる骨があります。ここが座面につくように座れるのが骨盤を立てて座れている証拠です。
この骨盤を立てた状態こそ骨盤の正常なポジションです。
骨盤が立っているかチェック
下腹部に両手を当てて逆三角形を作ります。
この逆三角形の傾きによって骨盤の状態を知ることができます。
「骨盤が立っている」=逆三角形が正面を向く
「骨盤が後傾」=逆三角形が少し上を向く
「骨盤が前傾」=逆三角形が少し下を向く
骨盤を立てた正しい座り方
①イスの高さは足の裏全体が床に着くように調整します。どうしても足が床につかない場合は足置きなどを用意し足が着くようにしましょう。
②イスに深く座り膝を90°に曲げます。膝が伸びて足を前に投げ出したり、膝を曲げ過ぎてイスの下に入れたりしないようにしましょう。こうなると正しく座れません。
③骨盤を立てるために股関節から一度お辞儀をします。その状態でお尻のお肉を後ろにかきだし、ゆっくりカラダを起こしていきます。こうする事で骨盤を立てて”坐骨”で座ることができます。
※女性で多いですが膝は閉じているのに、足が開いている(膝から下がハの字)。
膝下がハの字になると股関節の不具合が起こりやすくなるのでやめましょう。足を閉じるなら膝から足まできちんと閉じるか、足を少し開くなら膝を足の幅と同じにしましょう。
参考文献
竹井仁(2015-2018)『正しく理想的な姿勢を取り戻す 姿勢の教科書』 株式会社ナツメ社.
竹井仁(2013)「姿勢の評価と治療アプローチ」(認定医・指導医のためのレビュー・オピニオン) <https://www.jstage.jst.go.jp/article/spinalsurg/27/2/27_119/_pdf>
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