巻き肩は肋骨の動きが悪くなり呼吸を浅くする
名古屋市栄タイコ接骨院の岩田祐典です。
今回は呼吸と姿勢(巻き肩)の関係についての内容で解説していきます。
[呼吸が浅いとなぜよくない?]
酸素が上手く取り込めなくなったり、二酸化炭素が排出できなくなる。
また自律神経のバランスが崩れ、酸欠気味の症状が出やすくなる。
[こんな症状ありませんか?]
・息切れしやすい
・肩こりがひどい
・頻繁に頭痛がある
・代謝が下がったと感じる
・冷え性
・日中眠気を感じやすい
・眠りが浅い
・疲労感がとれない
これらの症状は巻き肩による姿勢が悪いことで呼吸が浅くなり起こっているかもしれません!
巻き肩は肩甲骨の位置が悪く、それに伴い肋骨の動きを悪くしてしまうため呼吸が浅くなります。
[巻き肩と肩甲骨の位置]
巻き肩は肩甲骨の位置が悪く、首や肩の筋肉に負担がかかり痛みや凝りの原因になります。
肩が身体よりも前に出てしまった状態を『巻き肩』
〈巻き肩とは?〉
・巻き肩は肩の位置が前方に突出
・肩甲骨が離れる(外転する)ことで肩が前に出て巻き肩に
(以下の写真参照)
[肩甲骨を正しい位置に保つために]
「肩甲骨は“体幹の骨”に直接繋がっていない」
骨だけでみるとほとんど宙吊り状態で鎖骨を介して体幹の骨に付着している。
とても不安定なところ、考え方を変えると自由度の高いところ。
この不安定さを「筋肉」でカバーしている。
肩甲骨の安定性に関わる代表的な筋肉が
『菱形筋』と『前鋸筋』
「菱形筋と前鋸筋が綱引きをしていて位置をキープ」
拮抗して釣り合っている状態がベスト。
菱形筋が綱引きに負けている
菱形筋が筋力低下(弱化)すると前鋸筋に肩甲骨が外側に引っ張られてしまうので肩甲骨が開き「巻き肩」になる。
以下の画像を見ていただくとイメージしやすいと思いますが、
巻き肩になっている方は“小動物チーム”と“ゾウさんチーム”みたいに圧倒的なパワーの差ができてしまっていることが多い。
菱形筋が弱く機能しておらず、前鋸筋が収縮して硬くなっていることが多いです。
前鋸筋が硬くなると呼吸が乱れる
呼吸をする時には肋骨の動きが重要です。
姿勢と呼吸に関係する筋肉が『前鋸筋』
肩甲骨と肋骨を繋ぐため硬くなっていると姿勢が悪く巻き肩になり肋骨の動きも悪くなる。
→呼吸が浅くなる
姿勢が悪い時(巻き肩)の前鋸筋は
「収縮して硬くなり活動しにくい状態」
この状態の前鋸筋は肩甲骨を外転させるので肩が前方に引っ張られて胸が開きにくく呼吸が浅くなる。
[巻き肩を治して呼吸を改善しよう!]
〈巻き肩を治すために考えること〉
・菱形筋を使えるように強化
・前鋸筋を動かして柔らかく
[肩甲骨タオルエクササイズ]
〜菱形筋を鍛えて巻き肩改善〜
〈方法〉
・肩幅より広めにタオルを持ち両手を上げる
・タオルを頭の後ろに下げ、肩甲骨を寄せる
・15回を2セット
肩甲骨の間にある“菱形筋”や“僧帽筋中部線維”を意識して、肩甲骨の間を挟むイメージで行おう。
肩甲骨を寄せる筋肉が強くなることで巻き肩が改善される。
[前鋸筋の強化とストレッチ]
〜巻き肩・呼吸が浅い人必見〜
〈方法〉
・四つん這いで①・②を15回繰り返す
①肘を伸ばしたまま肩甲骨を寄せ3秒キープ
②肩甲骨から動かし上半身を持ち上げる
巻き肩を治すのはもちろん、肩甲骨の動きにも関係するので腕が上がりにくい方にもオススメです。
菱形筋と前鋸筋について詳しく知りたい方はこの後も見てくださいね!
[菱形筋を詳しく解説]
菱形筋は肩甲骨の間にある筋肉
名前の由来は、“見たままの形”『菱形をした筋肉』
脊柱(背骨)と肩甲骨を繋いでいる。
〈菱形筋の特徴〉
①肩甲骨を動かす
②肩甲骨を正しい位置に保持する
③筋力低下すると巻き肩の原因になる
菱形筋が肩甲骨を動かす
〈菱形筋の作用〉
肩甲骨の内転、挙上、下方回旋
これらの動きは単体で行われるのではなく他の筋肉と協同して行われる
菱形筋との協同筋
肩甲骨の内転:僧帽筋中部線維
肩甲骨の挙上:僧帽筋上部線維、肩甲挙筋
肩甲骨の下方回旋:僧帽筋下部線維、小胸筋、肩甲挙筋
菱形筋で大事な役割が「肩甲骨の内転」
なので僧帽筋中部線維とは仲良しのため上記で解説した前鋸筋との綱引きでは菱形筋と僧帽筋中部線維は同じチーム。
[前鋸筋を詳しく解説]
名前の由来は“場所”と“形”
『肩甲骨の“前”に存在する“鋸(のこぎり)“の形をした筋肉』
別名「ボクサー筋」とも呼ばれパンチをする時に機能するためボクサーがよく発達している筋肉
〈前鋸筋の特徴〉
①肩甲骨を動かす
②肩甲骨を正しい位置に保持する
③腕を前に押し出す動きで重要
④肋骨を動かし呼吸に関与
前鋸筋が肩甲骨を動かす
〈前鋸筋の作用〉
肩甲骨の外転
肩甲骨の上方回旋
上方回旋は腕を上げる時に大事な役割をする。
腕を上げる時、腕だけが単体で動いているわけではなく、肩甲骨の動きに合わせて上方回旋することで腕をスムーズに上げることができる。
これを「肩甲上腕リズム」と言う。
ボクシングのパンチや野球やゴルフのスイングをする時に共通していることは”腕を前に押し出す動き“と”体幹の回旋“が連動して起こる。
「前鋸筋」と「腹斜筋」は筋膜で繋がっているため体幹を捻る動きと連動させることで強力なパワーを発揮することができる。
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