正しい呼吸をするための準備〜3つのポイントをチェック〜
名古屋市栄タイコ接骨院の岩田祐典です。
今回は呼吸の大切さと正しく呼吸するために必要な準備とチェックポイントを紹介したいと思います。
ヒトが生きていくために
ヒトは生きていくのに身体中の細胞が活動しています。
その細胞のミトコンドリアがATPと呼ばれる物質を作り、そこからエネルギー(熱)を作ります。
このエネルギーを使いヒトの身体は活動できるようになっています。
そしてATPを作り出す過程で必要なのが栄養素と酸素です。
“栄養素”は食事によって摂取されます。
特に糖質・脂質・タンパク質は三大栄養素と呼ばれ身体のエネルギー源になり、組織を構成する働きをします。
“酸素”は呼吸によって体内に取り込まれます。
呼吸が止まり酸素が体内に入ってこなくなると約10分で死亡率が50%になると言われています。
ヒトは栄養が取れなくても数日は生きられます。
しかし、酸素は約10分なくなるだけで生命の危機に陥ります。
なので酸素はとても大事です。
ところが、健康に気を使っている人でも食事のバランス・内容は気をつけているのに、呼吸を気をつけている人はとても少ないのが現実です。
健康を意識するなら食事も大事ですが呼吸を見直してみましょう。
呼吸とはなにか?
「空気と血液の間」で“酸素”と“二酸化炭素”を交換すること(血液と細胞の間での交換も呼吸と言います)
ヒトは生まれてオギャーと泣きます。ここから呼吸はスタートします。
生まれてからすぐに無意識で呼吸を始めるので誰に教えられる訳でもなくできるようになりました。
しかし現代社会では様々なストレスにさらされ生活していくうちに呼吸が悪くなっている人が多くいます。
呼吸が悪い人の特徴
・疲れやすい
・息切れする
・風邪を引きやすい
・首や肩が凝りやすい
・猫背
・冷え性
・寝つきが悪い
・眠りが浅い
・目覚めが悪い
・くいしばりや歯ぎしりをする
これらに当てはまる人は呼吸の仕方が悪くなっている可能性がとても高いです。
今回は正しく呼吸をするための準備段階でこれができていないと正しい呼吸ができないと言えるポイントを3つ紹介したいと思います。
正しい呼吸をするための準備
以下の3つの項目に答えてみてください。
①鼻呼吸or口呼吸
②上の歯と下の歯はついているor離れている
③舌先の位置はどこにある?
(下に収まっている・前歯についている・宙に浮いている・上顎についている)
この3項目はすべて正解でないと正しい呼吸はできません。
それでは正解を見ていきましょう。
①鼻呼吸
基本的に「鼻は呼吸をするところ」、「口は飲食をするところ」このようにヒトの身体は設計されています。
鼻を空気が通ることで加温・加湿する効果があります。
この加温・加湿がとても大事で酸素が血液に入り込みやすい環境になります。
そして鼻には毛や粘液があるため細菌やウイルス、ホコリなどの異物が体内に入り込まないようにするフィルターの役割をしています。
鼻毛を完全に剃ったり、抜いたりしている人はやめましょう。
②上の歯と下の歯は離れている
上下の歯と歯はほんの少し(2〜3ミリ)離れているのが理想です。
顎の関節や筋肉が最も楽な状態です。
もし、上下の歯と歯の全部や一部が接触している場合は顎を動かす筋肉(咀嚼筋)が疲れやすく顎関節症や首肩のコリ、頭痛の原因になるので気を付けましょう。
特に歯医者さんなどで歯ぎしりやくいしばりを指摘されたことがある方は意識して上下の歯を離すようにしましょう。
③舌先の位置は上顎についている
舌は上の歯のやや後ろの上顎についているのが正しい位置です。
舌の位置が悪いと口呼吸になりやすく、気道が狭くなるので息苦しさを感じやすくなります。
すると無意識に猫背姿勢になり呼吸をしやすい悪い姿勢になってしまいます。
正しい位置に舌があると頭の重さを支える役割もするので猫背の予防・改善にも効果的です。
舌は筋肉です。筋肉は鍛えることができます。正しい位置にキープする癖をつけていくことで舌の筋肉の強化になるのでしっかり意識するようにしてください。
以上の3つのポイントは正しい呼吸をするための基礎になります。
できていない人はこれが無意識にできるようになるまで普段からしっかり意識をするようにしましょう。
参考文献
パトリック・マキューン(著)桜田直美(訳者)(2017)『トップアスリートが実践 人生が変わる最高の呼吸法』かんき出版
森本貴義 近藤拓人(2018)『新しい呼吸の教科書−【最新】理論とエクササイズ』ワニブックス