脊柱起立筋と腰痛の関係
名古屋市中区栄のタイコ接骨院の岩田祐典です。
今回は腰痛の原因になりやす脊柱起立筋について解説していきます。
脊柱起立筋ってどんな筋肉?
脊柱起立筋は大きく分けると3つの線維に分けることができます。
・腸肋筋
・最長筋
・棘筋
出典:「プロメテウス 解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第2版」
この3つの筋肉をまとめて脊柱起立筋といいます。もう少し細かく分けることができ、さらにそれぞれ3つに分けることができるので9つに分類できます。そこまでいくと細かくなりすぎてしまうので今回はここまで。
背骨の両脇に存在する筋肉で外側から背骨に向かって腸肋筋→最長筋→棘筋の順に並んでいます。
脊柱起立筋全体でみると頭(側頭骨)や首から骨盤までずっとつながって、背骨に平行に走る長い筋肉です。
脊柱起立筋の役割
脊柱起立筋の主な働きとして脊柱を伸展する(反らす)作用があります。これは両側の脊柱起立筋が働いたときにおこります。
また片側のみが働いたときは筋肉が働いた側に脊柱を側屈、回旋(横に倒したり捻ったり)する作用があります。
脊柱起立筋は抗重力筋と言って重力によって背中が丸まってしまわないように重力に逆らって良い姿勢を保つ役割があります。
しかし、良い姿勢を保つからと言ってこの筋肉だけが働いていれば良いわけではなく腹筋群など他の筋肉とのバランスが大事です。
抗重力筋はさまざまありますがそのバランスが崩れると不良姿勢になり、肩こりや腰痛を感じやすくなります。
両側→脊柱の伸展
片側→脊柱の側屈・回旋
抗重力筋として良い姿勢の保持
筋筋膜性腰痛
腰痛は腰部に感じる痛みや張り感と言った症状のことを指します。厚生労働省の調査によると日本人の4人に1人が一生のうちに腰痛で悩まれるという結果を発表しています。
一概に腰痛と言っても細かく見ていくと腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、分離症、すべり症、椎体の圧迫骨折、内臓の疾患に伴ったものなど様々あります。
他にも腰痛には筋筋膜性腰痛があります。
今回はこの筋筋膜性腰痛に注目してみていきます。
筋筋膜性腰痛は腰の筋肉に過度の負荷が加わり筋肉や筋膜に損傷が起きてしまった状態です。この腰痛の人の大半は筋筋膜が原因で痛み、張り感を感じています。
なかでも脊柱起立筋は腰の筋肉で特に負担がかかりやすい筋肉です。先ほども説明しましたが、抗重力筋の役割があるので2本足で生活している人間は常にこの筋肉が活動します。
直立、座位、歩行、前かがみ姿勢などいろんな時に脊柱起立筋は活動します。
以下の図を参考にしてみてください。数字が大きい姿勢や動作をしている方は腰に負担をかけています。
(参考:Alf Nachemson MD,PhD 1976 The lumber Spine. An orthopaedic challengeより)
この図をみてお気づきの人もいると思いますが、前傾(前かがみ)姿勢はすごく腰に負担がかかりやすいです。
身体が前傾することにより脊柱起立筋が伸張しながら遠心性収縮をしてこれ以上身体が倒れ過ぎないように支えるように、前傾姿勢から身体を起こす時に活動します。ここに重い物を持つといった動作が加わるとさらに脊柱起立筋の活動が増します。
この姿勢・動作が長時間かつ繰り返し続くと脊柱起立筋の筋内圧が上昇し血流量を減少させて阻血状態となり筋筋膜に異常が生じて腰痛を引き起こすと言われています。
日常生活で前傾姿勢になる動作が多い人は特に日頃からのケアが大事になります。
キャットバック・ストレッチ
猫が背中を伸ばすような動きを参考にしたストレッチを紹介します。
効果
首・肩・背部(脊柱起立筋など)のストレッチ、胸郭の拡大
方法
1.四つん這いになる
2.ゆっくり背中を丸め、背部の筋肉を伸ばす
(息を吐きながら)(目線はおへそを向く)
3.ゆっくり背中を反らし、胸郭を拡げる
(息を吸いながら)(目線は上を向く)
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