腹筋を正しく理解し腰痛を改善しよう!
名古屋市栄のタイコ接骨院の岩田祐典です。
今回は腹筋、特に腹直筋の正しい知識について書いていこうと思います。
腹筋の種類
①腹直筋
②外腹斜筋
③内腹斜筋
④腹横筋
一般的に腹筋を割りたい!腹筋を鍛えよう!などで意味している腹筋は①腹直筋です。
この腹直筋は構造上、誰もが割れています。しかし、太っている人は皮下脂肪がのっていたり、細い人でも腹直筋があまり発達していない人は見えてきません。
皮下脂肪を落とし、腹直筋を発達させて筋腹を大きくしてあげるとムキムキにならなくても6パックも夢ではありません。
②外腹斜筋は肩甲骨の前鋸筋と言う筋肉と筋膜で連結しているので肩甲骨の動きに関与しています。
これらの腹筋群は呼吸に関与しています。④腹横筋は特に呼吸と関わりが大きくなります。
腹直筋の役割
・体幹を屈曲(身体を折り曲げる)、側屈
・体幹が真っすぐ固定された状態で働くと骨盤を後傾
・腹圧を高め、呼吸や排便に関与
・内臓の保護や位置の固定
腹直筋のメインの働きと言えば身体を折り曲げる(屈曲)することです。
他にも骨盤の後傾に働くと書きましたが、骨盤の傾きはバランスが大事です。前面にある腹直筋と後面にある脊柱起立筋などの背筋群が互いに機能してバランスが保たれている状態がベストです。
しかし、腹直筋が極端に弱化していると骨盤が過度に前傾し腰椎の前弯が強くなってしまいます。(反り腰)
また逆に極端に強すぎると骨盤が腹直筋に引っ張られ後傾し腰椎の前弯が消失してしまいます。(フラットバック)
このような反り腰やフラットバックは腰痛の原因になってしまいます。
従来、「腰痛には腹筋を鍛えろ!」と言うのが一般的です。反り腰になっている人に対して腹筋を鍛えることで骨盤が後傾位に誘導され、腰椎の過度な前弯が改善され、腰痛も軽減・改善されるといった考え方です。
しかし、フラットバックの人は骨盤がさらに後傾位に誘導されてしまうと正常なアライメントから遠ざかってしまいます。なので腹筋が硬く縮こまってしまっているのを開放してあげなければなりません。(腹筋を鍛えるのが全く必要ないわけではありません)
マッケンジー体操
腰痛に対しては腰を反らすことは禁忌と言われていました。しかし、この体操は腰椎の伸展機能を改善するための腰を反らす体操です。
これは腰椎椎間板ヘルニアなど椎間板に原因がある腰痛やフラットバックなど姿勢異常から起こる腰痛に効果的な運動療法です。
腰椎の伸展機能の改善し、腹筋群のストレッチにより硬くなった腹筋群を開放してあげます。
やり方の前に注意点を先に言っておきます。
<注意点>
・寝起き(朝)はやらない
朝は椎間板の水分量が増え、膨れ上がっている状態なので負担がかかりやすいです。できるだけ夕方から夜の間にやるようにします。
・腰の痛みが強くなる人は中止する
腰の痛み、下肢の痺れなど増すことがあれば中止してください。
<マッケンジー体操の方法>
①うつ伏せで寝る
②両脇に手をつく
③肘を伸ばしながらゆっくり身体を起こす
(動きが悪い人は無理せず少しずつ上げていきましょう)
④身体を起こしたところから”ストン”と素早く下ろす
※ゆっくり上げて、”ストン”と素早く下ろす
※これを10回2~3セットほど繰り返します
※腰の反り、腹筋が伸びるのを意識しましょう