しっかり背骨動いていますか?
名古屋市中区栄のタイコ接骨院の岩田祐典です。
今回は脊柱の構造と動きについて書いていこうと思います。
脊柱(背骨)は全部でいくつの骨で構成されているのでしょうか?
脊柱の構造
脊柱は脊椎と言われるがいくつも積み重なって、細かく見ていくと頚椎ー胸椎ー腰椎ー仙骨(仙椎)ー尾骨(尾椎)で構成され、それぞれ決まった数の骨があります。
頚椎ー7椎
胸椎ー12椎
腰椎ー5椎
仙骨ー1個(5椎が癒合)
尾骨ー1個(3~6椎が癒合)(個人差あり)
背骨は約30個の骨で構成されています。頚椎から尾骨までの脊柱は身長の約47%に相当します。
脊柱を横から見るとS字状になっているのが正常ですが、このS字状の弯曲が無くなったり、強くなり過ぎていると首や腰の痛みを誘発する原因になります。
頚椎~腰椎では24椎の骨でできていて、上下の脊椎は椎間関節と呼ばれる関節で繋がれています。この椎間関節はそれぞれ特徴的な可動性を持ちます。
体幹の関節可動域
頚部の関節可動域
屈曲:60°
伸展:50°
回旋:60°(片側)
側屈:50°(片側)
頚椎で特徴的なのは環軸関節と呼ばれる第1(環椎)と第2(軸椎)の頚椎でできている関節でここが頚部の回旋運動の半数を行っています。
胸腰部の関節可動域
屈曲(前屈):45°
伸展(後屈):30°
回旋:40°
側屈:50°
この可動域は胸椎と腰椎の合わせた可動域になります。
ここでポイントとなるのは回旋運動。この胸腰部の回旋運動のほとんどは胸椎で行われています。腰椎の構造上、回旋運動がしにくい作りになっているからです。
胸腰部の屈曲・伸展運動が少ないのでは?と思うかもしれませんが身体を屈曲・伸展させるとき、胸腰部(脊柱)と股関節の両方が動かないといけません。この数字は股関節の運動を除いた場合なのでこれくらいになります。
胸腰部の屈曲・伸展運動は特に胸腰椎移行部と第4・5腰椎椎間、第5腰椎・第1仙椎椎間で可動域が大きく腰痛の好発部位にも一致し、胸椎や腰椎全体の動きが悪くなると動かしやすいこの部位で動きをカバーすることで負担が大きくなり腰痛が起こります。
さきほど少し触れましたが、身体を前屈させるときは胸腰部(脊柱)と股関節の両方が屈曲しないといけません。
胸腰部(脊柱)と股関節が共に屈曲することでしっかり曲げることができます。
この動きをみていく指標に指床間距離(FFD:Finger-Floor Distance)があります。
指床間距離(Finger-Floor Distance;以下FFD)
<図り方>
1.30cm程度の台に立つ(写真は台に乗ってません。)
2.足を肩幅に開いた自然立位
3.腕を伸ばしてゆっくり前屈する(この時膝が曲がらないように注意!)
※この時の台の高さが0cm、指先と台との間の距離がFFD
※台まで届いていなければマイナス〇cm、台を越していればプラス〇cm
※最低でも0cmあれば(地面に指が付けば)問題はありません
先ほども言いましたが前屈は胸腰部の屈曲と股関節の屈曲が両方できないといけません。
FFDで見ていくと胸腰部が硬い人、股関節が硬い人の特徴があるので紹介します。
胸腰部が硬い人(写真:左)
股関節はしっかり曲がるけど胸腰部の動きがなく背中が丸まらないのが特徴です。
股関節が硬い人(写真:右)
背中が丸まって胸腰部の動きはあるけど股関節の動きがないのが特徴です。
こう言った人たちは硬くて動きにくい部分をどこか他のところで代償して動かしている人がほとんどです。
この代償した動きが負担をかけて痛みを出現させてしまうケースが多いです。
1人1人に合った身体のメンテナンスをしていきましょう。
動画は脊柱(背骨)の動きを出すエクササイズです。
参考までに!